あをぎりの小さなおはなし

つれづれなるままにその日暮らし…

【わんこばなし】おじいちゃんとヨーコと私(おまけでとしぞう):その後

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【はじめから読む:その1】 【その2】 【その3】 【その4】

 とある初夏の日曜日のことです。
 廊下を通りがかった時に居間を見ると、母がノートパソコン見ながら泣いていました。


 母の泣く姿なんて、私の結婚式以外で見た事がなかったので、その場で固まる&テンパってしまい、きっかり3秒考えたあと、私は何も見なかったことにして自分の部屋に逃げ込みました。
 あきらかに様子のおかしい私に声をかける私の旦那。
「どしたの?」
「いや。あの…。そのね」
 挙動不審にどう説明するかを考えてたら、当の母に居間から呼ばれました。
 母はとあるホームページのブログを見ていたそうです。

 居間に行くと母は、ヨーコを撫でながら、リビングテーブルに置いたパソコンの画面をまだ見ていました。
 としぞうは、しっぽ振りながら旦那に摺り寄ります。
(旦那がこの家に来て以来、男同士で何か結束でもしたのか、としぞうは旦那好き)
 母の様子に驚きつつも、としぞうをモフりながらテーブルの向かいに座る旦那と、その横に座る私。
 涙を拭うと、母は口を開きました。
「今年は、お盆も○○さん(総司おじいちゃん)のお墓参りに行くわよ!」
「は…い?」
 旦那と私の口からは、同時に同じ言葉が出ていました。

 

 あれから、さらにほんの数年の月日が過ぎています。
 ヨーコも相変わらず元気で、としぞうの弟や妹も増え、里子に行った遠い所ではヨーコの孫まで産まれています。
 本当ーに可愛い仔犬を、産まれた時から見守り(ちゃんと配慮して)これでもかと触りまくり、遊んであげられるのは、至福のひとときだとつくづく実感しています。
 その分、里子へ出すときは、泣きそうになりますが…。

 母も上記の様に、相変わらずパワフルです。orz...
 最近、私のお古のノートパソコンを奪い取った後、どこから聞いてきたのかSNSまで始めてしまい、なにやらそのあたりのネットワークを築きつつあるそうで、パソコンのハードディスクはわんこの写真で山盛りになり、それを眺めては一足早いおばあちゃん気分を満喫しています。


 動物病院の先生も相変わらずお元気で、定期健診のほか、ヨーコの子供が産まれる度にお世話になっています。
 先生は、ヨーコの他、としぞうの兄弟2匹のかかりつけでもあるためか、今では母ネットワークに取りこまれて?しまい、ヨーコ子孫の情報源やアドバイザーにされているようです。(先生…あんな母でごめんなさい)

 

 私はと言うと、職場で出会った旦那と結婚をし、今ではこの家で一緒に暮らしています。
 結婚式はこじんまりとした式にしましたが、母や旦那の意向もあり、プランナーさんに無理を言ってヨーコととしぞうも参列しました。
『あんたが一番先に結婚するとはおもわなかったー』という失礼な大学時代の友人一同(;ω;)(最初:その1にはありましたが、私は若干コミュ障気味)
 特別に出してもらった、わんこ用ケーキを10秒で完食するとしぞう。orz...
 三角のとんがり帽子を頭にのっけてもらい、うれしそうに写真を撮られるヨーコ。
 とてもいい式にはなった…と思います。

 それ以来、朝の散歩は3人と2匹になりました。


 この報告をしようと思うきっかけになった日曜日の事は、お墓参りへ行く車の中で母が話してくれました。
 カンタンに言えば、総司おじいちゃんとのことは、あらかた母は知ってはいたのですが、一部の細かい事は知りませんでした。
 ブログで初めて知った内容もあり、見終わった後にいてもたってもいられなかったそうです。
 車の中、助手席に座った私は、ヨーコやとしぞうと後部座席に座っている母に聞きました。
「えーと。ブログって(ある人が話にしたの)教えてたっけ?」
「□□(旦那)さんに教えてもらったのー」
 母は言いました。
 私は、横でハンドルを握る旦那を苦笑しながら睨みました。(旦那は諸事情により超安全運転中)
『犯人は…おまいか』
 旦那は、付き合っていた頃に話した、大学時代のエピソードとしてくらいは知っていたはず…が。
 そういえば、あの日曜日の数日前に「こんなお話にしてもらってるんだよ」と、喜びながら旦那にブログを見せた記憶が、その時ふつふつとよみがえりました。

 

 お墓の掃除を済ませお花やお供えを置くと、やんちゃ2匹のリードはこれまた諸事情で旦那が持ち、私たちはお墓に手をあわせました。
『総司おじいちゃん。お元気ですか?私は元気です。ヨーコもとしぞうも元気です。これからも私たちを見守ってくださいね。ついでに今年の冬には、おじいちゃんをひい爺ちゃんにする予定です。産まれたらスグではないけど必ず見せにくるので、静子おばあちゃんと楽しみに待っていてくださいね』
 お祈りを終えた私は目をあけると、安定期に入って大きくなった自分のお腹をみて、そっと手を置きました。

 帰りの車中、旦那は相変わらずの安全運転。
 そのさなかに、母が思いだしたように言いました。
(意訳)「あんた。ブログのお礼とかはちゃんと言って…うんぬんかんぬん…」
 既にメールで、簡単にお礼は言ってあったのですが、母へは一言
「わーかーりーまーしーたー」
と言って、黙らせました。
 ついでに、ちゃんとお礼と今の近況と、これも(ブログのテーマ?とは)違うけど何かのエピソードとしてお話にしてくれていいですよ。って事と、ついでに、それならそれでどうなるかは楽しみです。とか。(大変なのにごめんなさい。母の連絡先ヨコセはちゃんと断りましたb)
 メールに書いて伝えることにしました。

 

 命から生まれる命。
「命は命からしか生まれない」(とある方の言葉です。私の好きな言葉でもあります)
 それが、人間であったとしてもわんこやにゃんこなどの動物であったとしても。
 大切にしていきたいと思える素敵なお話をこれからも続けてくださいね。
 そう綴ることにしました。

 

 しかし、内容の大半は、
「仔犬かわゆい (*´д`*)萌え死ねます」
 としか書いてないような気が…。
 それはさておき。
 私は、今はお腹の命を一生懸命慈しんで育てつつ、いつかまた、このお話の続きが出来たらいいな。
 そう思いました。

 

(おしまい)

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----------あをぎりあとがき----------
 このお話は(今回?)ここまでとなります。
 そして、このブログに記載されるお話は「フィクション」ではなく「ノンフィクションではない」お話です。
 このお話が、あなたの心の中で、本当になるのかはわかりませんが、その他のお話も 含めて、何かを感じて頂けたら幸いです。

※昨年12月ブログをお引越し&今年は戌年だったので、その1~後まで5日連続で掲載させて頂きました。そのため(その後)が時系列でくっついちゃった事をご了承下さい。

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